さて、最近Xで著名な先生が
「CO2レーザーはメラニンをターゲットにしているわけではないので
シミ治療はできない!!!」
・・・とおっしゃっていました。
この先生の普段の投稿はやや極論的な面も含んでいますが、
概ねとっても勉強になるので、私も1ファンとして愛読してはいます。
とはいえ、私もレーザー専門の研究者のはしくれ
(端すぎてアレですが)
オカシイ事はオカシイと考えるわけです。
さて本題です。
CO2レーザーでシミ治療は???
という事ですが。
結論から言えば
まあ、出来る。でももっと適したレーザーがあるから普通使わない。
です。
まずこれを理解するのにシミ取りレーザーとは、そもそもレーザー治療とは・・・
を理解せねばなりませんが・・・・
超絶難しいので
シミとりレーザーとは黒いところ「だけ」を壊して
その周りの正常なところには影響を与えないように
上手くできてる機種のこと
ってことを理解しましょう。
そしてCO2レーザーは水に反応する。つまりそこに色があろうがなかろうが
全てを焼き尽くすようにできている
これがまさに真実であり答えです。
両方とも人体に火傷を負わせて、治療効果を発揮するという点では変わらないですが
医療としては最小のダメージで治療を遂行したい
というのは本望だと思われます。
また不要に多くの組織を傷つけることは
傷跡や色素沈着のリスクが格段に増えることを意味します。
つまり例えば微細な構造まで理解し・見える執刀医が
CO2レーザーを使用しシミの部位「のみ」を削りとることが出来たら・・・・
全く問題ないわけです。
でも現実にはCO2レーザーの熱損傷をそこまで細かく波及やらコントロールできるわけではないので
その他のシミ取りレーザーに比べ精密さに欠け、治療成績が悪くなるのが必然です。
なのであえてそのリスクを踏んでもCO2レーザーを用いる必要がないのです。
いやね、それでも「俺はできるぜ!!!」っていう先生ならいいんですよ。
でもね、たいていそうじゃないからね。
・・・ではまったく用いられないかというとそうでもないです。
例えばシミ取りレーザーを所有してないし、自院でどうにかしたい場合は使用するでしょう。
(無いなら紹介してほしいのにしてくれない場合は、クリニックを恨みましょう)
そして例えば老人性イボの治療の時です。
老人性色素班(いわゆるシミ)から老人性いぼは発生してくるわけですが、
シミの時はシミ取りレーザーを使うのに、いぼになったらCO2レーザーってのが常套手段ではあります。
が、ここで一つ疑問
一部シミで一部いぼだったらどうするねん・・・となるわけです。(ってかよくある)
ぶっちゃけそんな時はシミの部分もふくめCO2で焼いているのが現状で
特に問題も起きていないのです。
つまり臨床的にもシミに対してCO2レーザーを行って問題ないことは経験済みってわけです。
とはいえシミ治療用レーザーがせっかくあるのに
あえてリスクを負ってまでCO2でシミとろうとは思わないですよねw
というわけで改めて結論。
CO2レーザーでシミ治療は・・・出来る。でももっと適したレーザーがあるから普通使わない。
です。
ちょっと知ってみるとちょっと面白い。
ただ綺麗にされるより、理解して綺麗になっていくともっと楽しい!
美容ってそんな感じです。
まずはお気軽にカウンセリングにお越しくださいませ。
この記事の担当者

- あいち栄クリニック 院長 横山 侑祐
- 「美容医療ってこんなにわかりやすく、こんなに楽しく受けれるものなんだ!」という声をいただくことを目標に診療しております。診療だけでなくSNSやコラムも積極的に更新しておりますので、是非一度ご覧ください。
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