恐ろしくてこんな蒸し暑い夜なのに、寒気がしました。
ちなみに誤解ないように僕は田中みな実さん、めっちゃ好きです。
顔も身長も体型も、ストイックなところも・・・
とりあえず僕は彼女を信仰しているといっても過言ではないでしょう。
・・・
そんな信仰心が揺らぎかねない大事件が起きました。
まずは動画をご覧ください・・・
— 名古屋栄・安城・岐阜の美容外科医 横山侑祐 PH.D. (@asc_yokoyama) July 1, 2024
さっすが美の教祖!
勉強になりました
・・・・
・・・・
・・・・んなわけあるかーーーーーい!!!!!
もうねゲロヤバですよ、ゲロヤバ。
褒めれる点が一点もない。
(いや、まあ、一点くらいあるか。)
さて今日は緊急に
皮膚科専門医からみたこの動画のゲロヤバさ加減を
ひも解いていきましょう。
まず初めに。
ニキビとは一般的に
「思春期以降に発症する顔面,胸背部の毛包脂腺系を場とする脂質代謝異常(内分泌的因子),角化異常,
細菌の増殖が複雑に関与する慢性炎症性疾患」
とされています。
ここで言われる細菌は痤瘡桿菌(アクネ桿菌)を指し、毛包を中心とする皮膚に常在する好脂性,通性嫌気性
桿菌の事を一般的には指します。
難しい事は置いといてざっくり
脂っぽい肌の毛穴のつまりに、空気が嫌いなばい菌が繁殖している状態。
を指すと思っておきましょう。
つまりニキビを治そうとしたら
・脂を減らし
・密閉した毛穴の汚れをとり
・免疫力でばい菌をやっつけれる状態
がとっても大事な状態です。
さて、それでは彼女の動画を振り返りましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夜寝る時に、あのーお決まりのリンデロンね
皮膚科とかでよくもらうでしょリンデロンを
綿棒とかで手でやらずに、綿棒でちちゅっとくっつけて
ピピっとつけるでしょ
そしたらサージカルテープっていうの、
こういううっすいテープ皮膚科さんとかで売ってたりするんですけど
それをこうちっちゃくマスキングテープみたいなやつ
ぴってやって、で、ぴってつけるわけです
あのさー薬の浸透力が良くなるような気がして
そうしてます
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ゲロヤバポイント①:リンデロン
ここで表示されたリンデロンはリンデロンVGといい
ステロイドと呼ばれる免疫抑制剤と、ゲンタシンと呼ばれる抗生物質を、
流動パラフィン・白色ワセリンというベトベトの脂に溶かした外用剤です。
何故これがダメかというと
まず菌が繁殖している状態に免疫を抑える治療をすれば逆効果です。
菌がとっても喜んでしまいます。
(一応臨床の現場では、時と場合により感染症にステロイドを使う事もありますけど)
百歩ゆずってマイルドなタイプであればよいですが、
ステロイドの中でもリンデロンは真ん中くらいの強さ。
通常顔面に処方することはあまりない強さのものなのです。
そしてゲンタシンはばい菌止めなので、一見良いように見えますが、
実はアクネ桿菌にはほとんど効きません。
またゲンタシンはアレルギー性の接触皮膚炎を起こすことが知られています。
(厄介な事に他の抗生剤の外用剤も使えなくなることあり。交差反応といいます。)
そして軟膏剤は脂ですから、脂っぽい肌を余計脂っぽくさせて
毛穴を埋めてしまいます。
だから、薬剤の選択としては全く褒めるべきポイントが無いわけです。
ゲロヤバポイント②:テープで密閉
にきびは前述のように毛穴に空気が嫌いな菌が繁殖している状態です。
毛穴の入り口がただでさえ汚れで詰まっているのに
テープで密閉したら、そりゃもう良くないわけですよ。
もはやアクネ菌パーリーです。
またテープをすることは空気の流れを悪くすることだけでなく
「密閉療法」類似の状態を作り出しているわけです。
「密閉療法」は我々皮膚科医が、薬剤の効果を増すことを目的に
外用剤塗布後にラップなどで保護する治療を言います。
それはつまり先ほどのステロイドの免疫をさげる効果をさらに増してしまったり
ゲンタシンのかぶれの原因となってしまったりするわけです。(感作)
また、テープを張ることで、治療のいらない健常皮膚にまで薬品が浸透することになります。
もうね。百害あって一利なしって言葉はこのために出来たといっても過言ではないです。
ゲロヤバポイント③:そもそも薬品の適応外使用
もらった薬剤はお医者さんの指示のもと、適切に使いましょう。
自己判断はホントNGです。
・・・・ってことで。
マジデヤメテクレ、みな実さん。
いやご自身がどうなろうと自己責任ですよ。
でもね、貴方ほどの影響力がある方は下手な発信しちゃダメです。
ってか、貴方の美しい顔が、ほんとに心配です(;^ω^)
・・・・とはいうものの、私、田中みな実さんが大好きですから。
いちお褒めるべきポイントを。
①軟膏は綿棒でつける。
→衛生的でGood!
②ちょちょっとつける。
→ピンポイントでOK!
以上。
いや、もうほんと酷い。
ってことで皆さん、良い子は絶対にマネしちゃだめですよ(; ・`д・´)
振りじゃないですからね!!!
田中みな実さんはじめ、美容家?美容垢?のみなさん。
スキンケアやなんかの発信は
マジで一回僕ら皮膚科専門医に相談してから発信してもらえると
皆さんの為にも、ご自身の為にもよいと思います。
(業界ではファクトチェックと言います。)
クリニックに電話してくれたら、相談料はもちろんとりますが
相談にはちゃんと乗ります。
メールしてくれたら振込先教えるんで、確認とれたら答えます。
コレを読んでたら、是非連絡してください!
「なんとなく良さそう」ほどヤバいものはないです。。。
ちなみに。
近年ニキビ治療の保険適応の薬剤はたっくさん出ており
昔に比べると、保険治療でも大変の治しやすい時代になりました。
日本の医療費はめちゃくちゃ安いです。
ぶっちゃけ皮膚科専門医以外の発信する情報を鵜呑みにし、
標準治療を避ける理由なんて「めんどくさい」以外に無いくらいです。
是非めんどくさがらずにニキビ治療は皮膚科専門医に
受診しましょう。
・・・・ところで問題となったリンデロンVGですが
まあ、それ自体が悪なわけではないです。
リンデロンVGに関してはこちら↓
要は物は使いよう、適材適所ってやつです。
ちょっと知ってみるとちょっと面白い。
ただ綺麗にされるより、理解して綺麗になっていくともっと楽しい!
美容ってそんな感じです。
まずはお気軽にカウンセリングにお越しくださいませ。
この記事の担当者
- あいち栄クリニック 院長 横山 侑祐
- 「美容医療ってこんなにわかりやすく、こんなに楽しく受けれるものなんだ!」という声をいただくことを目標に診療しております。診療だけでなくSNSやコラムも積極的に更新しておりますので、是非一度ご覧ください。
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