こんにちは

今日はSNSのお話を。

こと皮膚科に関しては保険診療と美容診療の境目が極めて曖昧な病態の事も多く
また、体表という特殊な機械がなくても
誰もが観察し、評価しうる臓器を相手にしてることから
SNSとの相性が良いといってよいでしょう。

私が皮膚科医を志したのも

「治った喜びも、治療が思うように進まない憤りも、
患者とお互いで観て共有しうるヒリヒリ感」

がたまらなくエキサイティングだったのが
一つの要因としてあります。

話がズレました。

昨今のSNSのおかげで、
誰もが気軽に情報に触れることが出来るようになりました。
いい情報も、悪い情報も
本当の情報も、偽の情報も
です。

貴方にとって都合のよい情報が
必ずしも正解とは限らないのがSNSです。

例えば

「ニキビにアダパレンをもらったよ!超効いた!!!!ニキビにはアダパレン!」

という投稿を見かけたとしましょう。

ここで同じくニキビで悩む貴方が考えるのは
アダパレンって薬をぬれば自分もきっと綺麗になれる!!
ってことです。
もう、頭ん中、アダパレンを塗ることでいっぱい
1秒でも早くアダパレンを欲しい状態になります。
(もちろん冷静な判断が出来る方もいらっしゃると思いますが)

どうですか?

そりゃそうだろう!と思った、そこの貴方。
地獄に片足つっこんでるかもしれませんよ。

 

では穴を詳しく見ていきましょう

・貴方のニキビと投稿のニキビ、状態は本当に同じですか?
→素人さんからみて同じ「ニキビ」でも、
プロからしたら使う薬が違う、なんて事よくあります。

・そもそも貴方はニキビなのか?
→ニキビに見えて違う病気かも。
診断を素直に受け入れる覚悟はありますか?

・保険適応?
→薬剤には部位の制限や年齢制限があったりすることがあります。
それを正しく理解しないと、希望通りでないことがあります。

・アレルギーとか経過に盲目的にならない?
→「効く」と信じ切ってしまうと、
副作用にすごく寛容になりすぎてしまいます。
また副作用を都合よく「好転反応」とか偽の情報を流している
場合もあり注意が必要です。

 

・・・・

と、まあ、ちょっと考えただけでも一つの投稿にも
「穴」はたくさん潜んでいるわけです。

あくまで例えば、ですがね。

 

・・・・で、ここからが大事。

ほとんどの人はちゃんと目の前の皮膚科医の事を信じてくれるんです。

でも中には目の前の皮膚科医よりも
「最初に触れた匿名の情報」を信じちゃうことがあります。

原因は色々考えられますが、

多くの場合SNSからえた情報は

貴方にとって都合がよいものほど記憶に残る
といったところでしょうか。

例えば、
痛い治療か痛くない、なら後者ですよね。
高いか安いかなら後者、
ゆっくりか早いかなら後者
です。

目の前の皮膚科医は
・あなたの病気を正しく評価して
・あなたの病態にあった治療薬を選択して
・なおかつ保険適応の中から選ぶ
という作業をします。

その壁をクリアしないと処方はされないので
必ずしも貴方の望む薬剤がでるとは限らなわけです。

「普通」の皆さんなら理解し納得できるでしょう。

でも長年皮膚科外来をやっていると
その辺りを理解できない「普通ではない」方って結構いらっしゃるわけです。
そしてそういう方は決まって声が大きい(比喩です)。

 

すくなくとも我々皮膚科医は
皮膚疾患に接したら

なるべく速く治してあげたい

と思うもんです。

 

・・・と、ここまで書いておいて結論なわけですが

 

下手なバイアスをうけるくらいなら
情報なしで受診してくれたほうがよい

もしくは

情報をいれてもいいけど、素直な心で診療を受けてね

ということです、まとめると。

 

SNSであなたにとって都合のよい発信をした誰かは
貴方の身体に何が起ころうと、絶対に責任をとることはないでしょう。

是非目の前の皮膚科医を信じてください。

 

ちょっと知ってみるとちょっと面白い。
ただ綺麗にされるより、理解して綺麗になっていくともっと楽しい!

美容ってそんな感じです。

 

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この記事の担当者

横山 侑祐
あいち栄クリニック 院長 横山 侑祐
「美容医療ってこんなにわかりやすく、こんなに楽しく受けれるものなんだ!」という声をいただくことを目標に診療しております。診療だけでなくSNSやコラムも積極的に更新しておりますので、是非一度ご覧ください。
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