さて、また刺激的な題名のコラムになってしまいました。

ただこれだけはどうしても皆さんに知って欲しい・・・
そんな思いでコラムを書きます。

皮膚科に行って外用薬を処方されると多くの場合チューブにはいった「製剤」が処方されますが
青とか黄色のキャップの「軟膏ツボ」を薬局でもらうことってないですかね?

↑画像は(https://store.shopping.yahoo.co.jp/kenkouka-masaoka/382-031951.html?sc_e=syia_algdtl_org)から拝借しました。

親切に内容を記載したラベルが貼ってあることもあれば、
何も記載もなくお薬手帳もなく、患者さん自身ですら何を塗っているかわかっていない場合があります。

クリニックによっては「秘伝の薬」的にレシピを公開していないところだってありますからね。

さてそれではこの軟膏ツボには何が入っているでしょう?
多くの場合
「保湿剤」と「何かしらの薬効成分がはいった外用剤(主にステロイド系)」のことが
ほとんどだと思われます。
(まれに抗菌剤や抗真菌剤などありとあらゆるものを混ぜ込んでいるのを見かけますけど笑)

かくいう私も実は結構処方しますからね。

 

・・・・さて、皆さん、この軟膏ツボに入って処方される混合外用剤
どんなメリット・デメリットがあるかご存じですか?

メリット
①小さなチューブをいちいち複数個あけるより楽
②複数の薬を一回で塗れるため、手間が減る
③薬効成分のある薬剤が皮膚に均一に伸ばしやすくなる

なんかがあります。

で、逆にデメリットは

①混ぜてあるので、いらないところにもまとめて薬効成分を外用してしまうことになる。
 (つまり薬効ではなく「副作用」しか発現しない)
②指もしくはスパチュラを何度も突っ込むことになり、汚染されやすい
③薬剤自体混合を前提とした設定ではないので、混ざるものも分離するものもある
④薬効成分が相乗効果を示す場合と逆に減弱する場合がある。

・・・とまあ、「楽」以外に何もいいところがないのが混合薬なのです。

では混合薬は悪か、といわれれば・・・そうとも思いません。

外用薬は「塗ってこそ」意味のある治療です。
当たり前の話ですが、皮膚科外来を行っているとこの一見当たり前にみえることすら
実は皮膚科の患者さんにとってはハードルが高いことがよく経験されます。

内服薬なら決まった通り飲めるけど、外用は・・・・という経験
皆様も少なからず心当たりがあるのではないでしょうか?
(ちなみに私ですら結構ずぼらで適当です。)

そんなめんどくさい外用薬なので、ちょっとでも塗りやすいと嬉しいですよね。

ですので私は
・外用薬が初めて、などで塗り慣れていない方

・広範囲の皮疹で「塗り分け」が難しいかた

なんかは混合薬を積極的にチョイスします。
そして塗り慣れてきたり、皮疹の範囲が狭くなった時点で
単剤に分けて処方していくことが結構あります。

 

少なくとも言える事は皮疹は刻刻と変化するため
漫然と強い薬剤が混入された混合薬を塗り分けもせずに使い続けることは
結果患者さんに思わぬ「副作用」が生じるリスクがあるということです。

だから大量に処方されたから色々使えてラッキー!!!というのではなく
ご自身の現在の状態をちゃんと診療してもらい適切な薬剤に変更してもらう
それが

安心・安全な皮膚科診療

となりうるのです。

 

副作用のない薬剤なんて存在しません。
もしかしたら「秘伝の薬」は処方した医師と処方された患者さんの信頼関係があって
初めて成立する薬剤なのかもしれませんね(^_-)-☆

 

ちょっと知ってみるとちょっと面白い。
ただ綺麗にされるより、理解して綺麗になっていくともっと楽しい!

美容ってそんな感じです。

 

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この記事の担当者

横山 侑祐
あいち栄クリニック 院長 横山 侑祐
「美容医療ってこんなにわかりやすく、こんなに楽しく受けれるものなんだ!」という声をいただくことを目標に診療しております。診療だけでなくSNSやコラムも積極的に更新しておりますので、是非一度ご覧ください。
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