さて、春が近づいてきました。
就職や進学をする方もとても多いでしょう。
割と人気のある科・・・なのかな、皮膚科。
イメージとしては「軟膏だしときますねー(‘ω’)」ってやってるイメージです。
何なら私も研修医でローテートするまでそんなイメージでしたし。
しかし、皮膚科はみなさんが思っている以上に幅広く奥深い科です。
もちろん手を出す領域によりますけどね。
さあ、今日は皮膚科医の世界を覗いてみましょう。
(これ、研修医や医学生以外にだれか読むのか笑?)
①軟膏をやっぱりだしまくる
まあ、基本です。軟膏を扱います。
内服は結局全身に作用するので、局所だけの副作用で済む外用剤をいかにうまく使うか
それが本懐ですね。
②実は外科だ
皆さんここを見落としがちですが、実はバリバリOPEします。(まったくしない先生もいるけど)
皮膚腫瘍を切除したり、皮膚欠損に皮膚移植をしたりします。
なんなら皮弁といって皮膚を動かしたり、傷跡の治療もします。
ガン治療の時はリンパ節郭清したりもします。
骨は滅多にいじりませんけど、場合によってはその深さまでを治療領域とします。
③すべての病棟を巡回する褥瘡回診
皮膚科医ほど病院全体を歩く科はないのでは・・・
褥瘡・・・いわゆる「床ずれ」は、長期の入院や高齢者の入院において避けては通れないリスクです。
発生した場合はもちろん、ハイリスクの方の予防も含めて、大体週一回は全病棟をぐるぐる回診します。
理学療法士さんと除圧について話しあったり、栄養士さんと栄養状態について話し合ったりします。
いわゆる褥瘡チームのリーダーを担います。
④検査は自前?
検査、採血はもちろん検査部にオーダーですが、
水虫やウイルスなんかは自科で行います。
病理検査といって細胞をみて確定診断するのも概ね病理部がみてはくれますが、最終的には自分の目で顕微鏡をのぞいてみます。
アレルギー検査はすべて自前です。
⑤救急は結構頻繁に呼ばれる
火傷や怪我の処置で救急が手に負えない場合は結構あり
割と頻繁に呼ばれます。
「なんかぶつぶつがでてる人がいてー・・・助けてくださいー(´;ω;`)」
と研修医から相談をうければ駆けつけます笑
⑥入院だって診る
皮膚科で入院???と思われるかもですが、実は結構あります。
入院すると全身管理はもちろん主治医が行いますので、他科の先生に相談しながら
みていきます。内科の知識もそれなりにないと、なかなか厳しいですね。
⑦機械が多い・・・
レーザーやなんやらで実は扱う機械がすっごく多いです。
割りと使いまわしが効く場合は少ないので、あれもこれも治療したければどんどん購入する沼にはまります。
ちなみに私はレーザーだけで10台以上所有しているのです・・・・
⑧サブスペシャリティーを決めないと、さすがにしんどい
皮膚疾患は湿疹に始まり、感染や炎症、自己免疫、外傷、ガン、美容などなど
あまりにも多くのジャンルを網羅しすぎています。
正直すべてを高いレベルで診療できる先生は限られているでしょう。
⑨専門医のハードルメチャ高い
専門医の試験も、それを受けるための資格取得もめっちゃくちゃ大変です。
取得後の維持は大したことはないです。
と、まあ、皮膚科医って本当に色々やってるんですよね。
(なんだか最後の方の項目はしんどかった思い出の愚痴のようになりましたが。)
思い出せばまだなんだか色々やっていた気もしますw
私はなんならすべてやっちゃう師匠についたばっかりに、すべてやっていましたし、
おかげで皮膚科の面白さを気づかせていただけたのかな・・・って思います。
これから皮膚科を目指す方、是非参考にしてみてください(^_-)-☆