こんにちは。
毎度毎度バカな話をしておりますが、本日は私のTwitterのある投稿を掘り下げていきます。
世の中には怖いもの知らずの方がいらっしゃいますが、もしかしたら我々ドクターがそれを助長しているのかもしれません。
— 名古屋の美容外科医 横山侑祐 PH.D. (@asc_yokoyama) January 17, 2023
施術の動画の公開って、一体何の為になるんでしょうね。 pic.twitter.com/jN811rK6fN
さて今回の話は何かというと
とあるインスタグラマーさんがヒアルロン酸を自分で輸入して、自己注射して、それを事細かく投稿されていた・・・
という件です。
ここで多くの方が「そんな恐ろしい事するなんてバカだねえ・・・」と思ってらっしゃるかと思います。
こと私にとっちゃ事故さえおきなければどうでもいいわけですけど。
(事故が起こったときにうちにすぐ飛び込んでくれたら、なお良き)
さておきその中の一文に
「YOUTUBEにお医者さんの注入シーンの動画がいっぱいあるから、それを参考にする」
とまあ書いてあったわけです。
美容クリニックの施術ってそれなりに金額がするので「もっと安くできたら」と考える気持ちはわかります。
現代は流通が発達しており、ちょっと工夫すれば「誰もが何でも手に入る」時代でもあります。
各種「プロ」が色々な手順動画をだしており、プロならではの手さばきで「なんか簡単にできちゃいそう」と思わせれます。
つまり素人さんが表面だけをすくって、マネできちゃう環境が整っているわけです。
もちろん今回の投稿で
・自分でヒアルロン酸を注入して
・手順を公開して
・他の人に勧めている
・治療の危険性、溶解注射の危険性にまったく触れていない
時点で、もう色々つっこみどころ満載なわけですが、
この方がここまでの行為をするまでに、医師として出来ることはなかったのか、と思ったわけです。
医師が動画をあげる意図としては
「実際に治療を受ける前に、少しでも安心してほしい」という大義名分があるわけです。
しかしその建前とは裏腹に
・施術をみて、「あ、これなら受けてもいいかも」と動機付けになるかな (集客)
・俺はこんなに鮮やかに施術可能なんだぜ!えっへん! (自己顕示欲)
・美容医療でこんな変わるんだぜ! (発信)
・若手よ!俺の技術を盗むがよい! (教育)
なんかが無いことはないわけです。
ただ上記を伝えるなら解剖や皮膚科的知識、ピットホール、トラブル時の所見と対応
などの基礎分野から順を追ってすべてをちゃんと公開すべきなのに
あくまで動画の見やすさが先行しているため、表面的な話しかできていないというのが実情です。
マネしやすい環境のお手伝いをしているわりに、マネされたときのトラブルに関し注意喚起をほぼ出来ていないんです。
もちろんマネするなんて思ってもみないわけですが。
我々医師が出来ることとしては注意喚起もさることながら、
ある程度技術を隠す・・・というのも今後必要になってくるかもしれません。
例えば針指してるところなんかはモザイクかけて、どの深さにしているかとかはイラストにするとかね。
オープンに、風通しをよく・・・というのももちろん大事ですけどね。
一時的な快適さが、将来の規制につながる可能性があるってことを忘れちゃいけないと思います。
と、いうわけで
一般の方も医療サイドも、健全で安全な美容医療のためにモラルをもって楽しみましょう。
自己中な
自己注射は
事故中っしゃ!
お後がよろしいようで。
ちょっと知ってみるとちょっと面白い。
ただ綺麗にされるより、理解して綺麗になっていくともっと楽しい!
美容ってそんな感じです。
まずはお気軽にカウンセリングにお越しくださいませ。
この記事の担当者

- あいち栄クリニック 院長 横山 侑祐
- 「美容医療ってこんなにわかりやすく、こんなに楽しく受けれるものなんだ!」という声をいただくことを目標に診療しております。診療だけでなくSNSやコラムも積極的に更新しておりますので、是非一度ご覧ください。
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