《美容医療「失敗した」体験者たちの告白》「ヒアルロン酸注射で左右非対称なほうれい線」「二重手術でドライアイ」…技術や意識の低い医師が参入する現実
というニュースを読みました。
知っている方の名前をちらほらみかけながら
Yahooニュースも身近なもんだな
としみじみ。
ところで「失敗」というとすごくハードルの高い
エッジの効いた言葉になってしまいます。
しかし、近年この「失敗」というワードが
拡大解釈されすぎている面も否めません。
例えば注射で内出血・青あざができた。
医療サイドとしては悪意もなければ人体に針を刺す以上
ゼロにすることはできない事象です。
しかし「こんなに失敗された!!」と叩かれうるものではあります。
さて、今回は何が失敗で、どうしたらよかったのか。
ポジティブにニュースから「失敗」を紐解いていきましょう。
宮城県のEさん(42才)
シミ取りレーザーで失敗した。 「しばらくはきれいだったのですが、数か月すると施術前の倍の大きさのシミが再発。焦って別の美容皮膚科に駆け込むと“もっと強いレーザーで消しましょう”と言われ、同じ部位に照射してもらったら、今度はその部分が不自然に真っ白になってしまったんです……」
→シミのレーザーの場合PIH(炎症後色素沈着)といって、一旦きれいになったと思ったものの、数カ月後に後戻りし、それをケアすることにより
「シミ治療」が満了することになります。
このPIHは程度など個人差も大きく、予見するのがなかなか難しいものです。
倍の大きさになった・・・というのはシミを治療するときやや広めに照射するので特に異常ではないです。
(例えば2mmのシミを打つのに3㎜程度打つことになりますが、面積は2.25倍になりますよね)
そしてその後の対応もよくなかったです。
PIHは基本温存すれば改善するものなので、「もっと強いレーザーでうつ」というのはもってのほかです。
例えるなら「やけど跡にさらにやけどを負わせる」みたいなもんです。
経過観察で薄くなり得るものに強いレーザーをうってしまったことから、残存したメラノサイトまで破壊してしまい、
結果白抜けした・・・といったところでしょう。
ではどうすればよかったのか。
一軒目の治療のあと、しっかり後療法をする。じっくり信じて待つ。
これが正解だったと思われます。
表参道メディカルクリニック看護師の高橋真弓さん
「夏にほくろ取りのために肌のメラニン色素を強力に粉砕・破壊するレーザー『ピコスポット』を受けた際、通常は何回か照射を繰り返すのですが、1回で終えようと出力を強くしてしまった。その結果、照射部位が色素沈着して余計に目立つようになってしまい、後悔しています。照射後の肌は紫外線を吸収しやすいため、夏は特に、出力に気をつけるべきでした」
→まずね、ほくろにピコレーザーとか、だめだから。
ほくろが何たるかを全く理解していない、プロなのに。
ほくろはできものです。なので色だけ飛ばしても全く意味はないです。
ほくろ細胞自体を破壊し除去しないといけない。
そしてもっと良くないのは「一回で終えようと出力を強くした」です。
それを決めていいのはドクターだし、関係者にありがちな発想ではあります。
これは失敗云々ではなく、高橋さんによーく反省していただきたいところではあります。
結論・・・論外。
美容愛好家のmimiさん
「約15年間、さまざまな美容医療を受けてきましたが、失敗もあります。首のしわ取りのために受けたハイフで肩付近にやけどを負ってしまい、1か月ほどジュクジュクと化膿していました。いまでも肩にその痕が残っています」
→
首のしわ取りにハイフが効くか・・・という問題はおいておいて、
肩付近にやけどを負った・・・というのは
①HIFUのアタッチメントが正しく皮膚に接地できていなかった
②首は皮膚が薄いため、概ね弱めの出力にするが、それができていなかった?
が考えられます。
そもそもそんなところ打たないしね。
最近多くの「ハイフ専門ナース」がオリジナルの打ち方をしていますが、
その多くがなんのエビデンスもない、自己流・自己のバイアスのかかった経験則からの
勝手な判断で行っていることがほとんどです。
(本当にいいとおもう方法なら、データとって論文書いてね)
メーカー推奨の打ち方以外をする場合は、それなりのリスクをちゃんと理解する必要があるでしょう。
というわけで、メーカー推奨の場所を推奨の設定で打ちましょう。
それに尽きます。
ちなみに当院もナースはたくさんいますが、
全員が同じ打ち方で同じ結果が出るように訓練してあります。
個人の裁量を基本認めていないです。
もし細かく設定するなら、細かくドクターが逐一肌をチェックしながら打つべきですからね。
都内のAさん(46才)
「くま自体は薄くなったものの、医師の腕が悪かったのか、目の下に不自然な線ができてしまった。ほうれい線は左右非対称にゆがんでしまい、もとの顔の方が自然だったほど。 クリニックはやり直しを提案してくれましたが信頼できず、全額返金してもらい、別のクリニックでヒアルロン酸溶解注射を受けて元に戻しました」
→
これはどうだろ。
診てみないとなんとも言えないですね。
ただ満足いく仕上がりにならなかった、もしくは当初の説明とは違うできなら
それは失敗といって過言ではないでしょう。
いちおワンポイントですが、溶解するなら執刀医がお勧めです。
どこにどの深さにどのよにいれたか・・・を理解していないと
完全に溶かすことはできないからです。
やり直しや返金にも応じてくれるのは、まあまあ良心的なクリニックなので
一回のあれはありますが、もう少し寛容になって考えてもよいのでは?と思います。
(もちろん失敗されて頭にきてるのはわかりますけどね。)
10月に首のボトックス注射を受けた女性
「赤ちゃんのように首がすわらなくなり、グラグラするようになってしまい恐怖を覚えた」
→
首のボトックスを何目的でどの場所に打ったか・・・
が問題ではありますね。
こちらは詳しいカウンセリング内容を聞いていない以上
安易に失敗・・・と判断することはできないと考えました。
まあ、でも当院も首にボトックス打っていますが、
普通にやっていればそんなことになんないけどね。
北海道のNさん(50才)
「たるみは改善したのですが、眠っている間も目が半開きになるほど目尻が強く引っ張られて、もともとはタヌキ系の丸い目元だったのがキツネ目になり、結婚予定の年下の彼に“怖い顔になっちゃったね”と言われて大ショック。再手術で目元は元に戻せましたが、たるみは施術前よりひどくなってしまいました」
→
糸リフトでここまでなるのは珍しい・・・かなと。
時間経過が書いていなく、なんとも言えないですが、概ね一週間くらいで改善してくるはずでは。
なので失敗・・・というよりダウンタイムへの理解不足、が根底にあるのでは、と思われます。
もちろん執刀医の説明がどうか、もありますが。
また、「施術前よりひどくなって」というのは医学的にはあまり考えにくいです。
失敗を語る方の多くは自分のつらさをやや誇張してしまうところもあり、
医学的には考えにくい事象まで「失敗」と結びつけてしまう傾向にあります。
(セカンドオピニオンを受けているとひしひし感じます。)
つらさやくやしさは理解しますが、現実離れした内容になると
発言の信ぴょう性にも影響します。
冷静に現状を判断することが肝要かと思います。
もちろん僕は悩んでいる人の味方です。
味方ですがその前に医師であるので、客観的評価が根底にはあります。
京都府のYさん(50才)は、高校生の娘が埋没法の二重手術を受けたときのことを振り返る。
「2か月くらいですぐに一重に戻ってしまい、施術を受けたクリニックに相談すると“体質的に、埋没法では効果が持続しない”と言われ、追加で脂肪吸引と目頭切開の手術を受けることに。最初の手術と比べてダウンタイムと痛みは2倍、費用は4倍に。結果的にぱっちり二重を保てているものの、印象が変わりすぎて整形したのがバレバレ。友人たちにもヒソヒソ噂話をされた娘は高校を中退し、いまは知り合いのいない通信制高校に通っています」
→
これは・・・・
まずはどんな埋没法を選択したか、によります。
安価な埋没法はそれなりの価値でしかないです。
2万程度で長続きする二重がゲットできるわけないじゃない。
大人ならわかるでしょ(;’∀’)
ティーンの整形はコミュニティが狭い中で生活していかなければならない以上、まわりがどう思うか、が結構大事です。
しかしこれに関してはご家庭でよく話しあわれていますでしょうか?
コミュニティーでうまくいかないのを整形のせいにしてないでしょうか?
顔が変わるなんて、整形前からわかっていたことでは?
他人に指摘されて、どうのこうの思うなら、それは整形なんて受けないべきです。
厳しいことを言いますが、これは親御さんにもう少しだけ真剣に介入してほしかった事例ではあります。
さてさて、今回はそこそこ重い話題でしたが。
実は皆さんがニュースをさらっとよむ限り
「失敗だ!なんて悪い美容外科だ!」と思ってしまうことも
実はよーく紐解いてみると
誤解や理解不足、失敗と呼ぶにはふさわしくない事例も混じっています。
でも「失敗」というセンセーショナルなワードに振り回されていまっている
現状があります。
冷静に客観的に物事の真意を評価しましょう。
ちょっと知ってみるとちょっと面白い。
ただ綺麗にされるより、理解して綺麗になっていくともっと楽しい!
美容ってそんな感じです。
まずはお気軽にカウンセリングにお越しくださいませ。
この記事の担当者
- あいち栄クリニック 院長 横山 侑祐
- 「美容医療ってこんなにわかりやすく、こんなに楽しく受けれるものなんだ!」という声をいただくことを目標に診療しております。診療だけでなくSNSやコラムも積極的に更新しておりますので、是非一度ご覧ください。
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