外用剤(塗り薬)ってめちゃくちゃ種類ありません?
まあね、極論を言ってしまえば
治れば無問題
なわけですよ。
では我々皮膚科医がなんで外用剤にこだわってるかというと
・快適に
・安全に
・可能な限り早く
治すために適切な薬剤をたくさんある中から選ぶわけです。
さて、それでは我々皮膚科医が何を考え、どう選択しているか・・・を
かるーくお伝えしていきましょう。
まず第一に知っておきたいことは外用剤は
主剤と基剤
から成り立っているという事です。
ザックリ塩水をイメージしてください。
主剤=塩、基剤=水 です。
いわゆる溶質と溶媒ってやつですね。
皮膚科医は皮疹をみるとまず主剤を決めることから始めます。
(皮膚科医に限らず医師ならそうすると思いますが・・・)
甘いものが欲しければ砂糖、酸っぱいものがほしければレモンとかね。
そして次に基剤を決めていくわけですが、
ここからがこのコラムの本題です。
多くの若いドクターが基剤の決め方に悩むとはおもいます。
ここですごく大事な事を言うと、
ドクターは教科書やプロトコールを重視するあまり見落としがちにはなりますが
塗らない外用剤は効かない
ってことです。
(当たり前じゃん!!!って笑われそうですが。。)
でもこの「当たり前」がなかなか出来ないってことを
臨床の現場ではよく経験するかと思います。
どれだけその病気、皮疹、状態に適していても
患者さんにとって快適ではない薬剤は塗るのが疎かになりがちで
せっかくの薬剤も正しい薬効を示しきらないことがままあります。
基剤決定において定石も大事ですが
患者さんの声にしっかり耳を傾け、
一人一人に合った剤型を選択することが
最も大事であることを忘れないでください。
さて、そこまでの心構えができたら定石を学んでいきましょう!
基剤の沼へようこそ。