こんにちは、院長です。
当院に受診されているニキビ患者さんはご存じかと思いますが、
当院はニキビ治療に関するビタミン薬の処方にはかなり消極的です。
他院からの転医の方に納得していただくのはいつも大変なので、今日はそんなコラムを。
日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医は多くの場合
日本皮膚科学会が発行しているガイドラインに準拠して診療を行っています。
(たぶん・・・たまに意味不明なオリジナリティを出す先生もいらっしゃいますが。)
こと私に関してはガイドライン順守派です。
・・・なぜって?
いや、私よりたくさんの患者さんを診療してこられた先生方が、世界各国の文献を読み漁って導き出したガイドラインですからね。
私のまだまだ少ない経験値よりも断然信頼度があるわけです。
・・・話を戻します。
「ニキビ(ざ瘡)治療」にもこのガイドラインは存在し、実はこの中にビタミン内服に関する記載もあるわけです。
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CQ40:痤瘡にビタミン薬内服は有効か?
推奨度 C2
推奨文 痤瘡に,ビタミン薬内服を行ってもよいが,
推奨はしない.
解説
痤瘡治療の補助的内服療法としてビタミン A,ビタミン B2,ビタミン B6,ビタミン E が用いられる.
その作用機序として,ビタミン A は毛包表皮の角化を,ビタミン B2 とビタミン B6 は皮脂分泌を,ビタミンEは過酸化脂質を抑制することが考えられている.しかし,各々のビタミン薬内服の痤瘡に対する有効性を確立するための臨床試験は行われておらず,ビタミン薬内服を推奨する十分な根拠はない.
以上より,痤瘡にビタミン薬内服を行ってもよいが,推奨はしない.
~~~~~~~~~~~~~~~尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017より抜粋
ってなわけです。
はっきり「推奨しない!」と言い切っちゃってるわけです。
またビタミンは
①バランス良い食事習慣で自然摂取可能(生活習慣整える意味でも大事!)
②各種サプリメントが多数販売されており、ことマルチでのむならサプリのが手軽。
から
医療機関として処方するより、患者さんのメリット(ここでいうメリットは「どうしてもビタミン取りたい方」むけ)のためにも
より良い選択肢かな、と思います。
そんなこんなで開業して3年近く、ほぼほぼビタミン薬の処方はしていませんが、
丁寧に治療方針をお伝えしているためか、当院に通院されている患者さんは皆さんニキビめちゃくちゃ綺麗になっていますね。
当院はエビデンスに基づいた、必要十分な治療を用いて患者さんにできるだけ負担なく診療しています。
転医されてくる方は当院の処方薬の種類の少なさにびっくりされる事かと思います。
上記のようにガイドラインに準拠したうえで判断し治療を行っておりますので、ご安心の上受診ください。
一緒にニキビを治療していきましょう!